デイちゃんの出産が終わり、病院から子犬たちの入った籠をいただいたとき、
耳がちぎれて無かった子、足首がとれてしまった子がいたのですが、その横に頭がぶよぶよになって内出血をおこし
皮膚の表面からは血が流れている子がいました。デイちゃんが生まれたばかりの子犬を守ろうと頭を加えて連れて行こうとした
と後で獣医さんから聞きました。
きっとこの子も数日で息を引き取ってしまうのかもしれないと、獣医さんからは言われ、でも祈りつつ新生子犬なのでただ授乳をして精一杯見守ることしかできませんでした。
その女の子が喜祈(きき)です。
その子はたくましくおっぱいを飲んで、ぐんぐん育ちました。奇跡です。
でも子犬期のある日、不安は命中しました。
いきなり倒れて意識を失い、呼吸が止まり、痙攣を起こしだしたのです。

その日から喜祈の闘病生活は始まりました。
生まれたばかりに受けた脳の損傷があり、きっと成長してゆけないので、脳炎をおこし、脳萎縮していって、長くは生きていけないでしょう。という獣医師の見解でした。大学病院に何回も検査に行きました。
喜祈は本当によく頑張って、色々な検査を受けました。
何度も入院して発作のための治療もしました。

そしてもうだめだと言われていた小さな命は、今年3月10歳の誕生日を迎えました。

病院の先生からは、「この子は大変だよ。自然で良いのではないか?」と言われたこともありました。

でもね。
私たちは天寿を全うした(15歳以上の)子に対して決して延命はしない主義なのですが、生まれたばかりの子犬、生きようとして一生懸命おっぱいを飲んで頑張った子に対して、「あきらめる」という選択肢はなかったのです。

出産にはいつも危険がつきものです。
いつも正常分娩であるわけではありません。
母親の精神状態もいつも落ち着いたお母さんばかりでもありません。
そして、ようやくこの世に生を受けて生まれてきた子犬たちに対して、私たちは最後まであきらめたくはないんです。

この考え方には賛否両論あると思います。
自然の摂理に任せて淘汰される命はあって当然なのだから・・それも正論です。

この世に命が与えられたことに意味のない命なんてないと思っています。
残念ながら、短い命で天に帰った、「こまり」も私たちにたくさんのメッセージを残していきました。

私たちに「助けない」という選択肢はなく、ただ「死を待つ。」という選択肢もありません。
残念ながら目が開いてまもなく亡くなった「こまり」もその時にできる精一杯の事をしました。
いつも生きたい!と懸命におっぱいをたくましく飲む姿を私たちは、本当に愛おしいと思っています。
そうやって、生まれてくるときのアクシデントで、新しいお家には行けなかったけれど、我が家でみんなと楽しく幸せに過ごしている子がいることを、デイちゃんの事を思い出すことで、皆さんに知っていただきたいと思いました。

皆さんのもとに送り出す子犬たちは元気で健やかな子どもたちです。
でも皆さんのお家の家族になる前には、本当にたくさんのできごとがあって、200グラム足らずで生まれた子犬たちが成長して皆さんの家族になれること事態が奇跡なのだという事を知っていただきたいと思います。
そしてだからこそ結ばれた強い家族という絆を大切にして一生幸せに過ごしてほしいと、じいや、ばあやは心より願っているのです。

写真はこの3月10歳を迎えた喜祈、脳障害のため最近は目もあまり見えず、耳もあまり聞こえていません。
でも、デイちゃんににて、みんなに可愛がられるのが大好き。大家族が大好き。発作が起きてつらい時も、回復途上なのにすぐみんなのところに帰りたいと言います。
私たちの大切な家族。
無くてはならない大切な子、デイちゃんの忘れ形見、素晴らしい子、喜祈です。
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